こんにちは。八ヶ岳へ移住、セカンドライフ!、運営者の「卓郎」です。憧れの八ヶ岳ライフを夢見て物件情報を眺めている時間は本当に楽しいものですが、ふと「八ヶ岳への移住で後悔した」というネガティブな情報を目にして不安になっていませんか。インターネットで検索すると、失敗談や厳しい冬の現実、人間関係の悩みなど、様々な理由が出てきます。私自身も移住前は皆さんと同じように、良い面ばかりを見て夢を膨らませていましたが、実際に暮らしてみると想像以上に大変なことや想定外の出費に驚く場面も多々ありました。それでも、事前に正しい情報を知り、しっかりとした対策を立てておけば、後悔するリスクは大幅に減らすことができます。この記事では、私が実際に体験して感じた八ヶ岳暮らしのリアルな側面と、移住を成功させるための具体的なポイントを包み隠さずお話しします。
- 憧れだけでは見えない八ヶ岳特有の厳しい気候リスクと対策
- 移住者の悩みの種となりやすい虫や野生動物との向き合い方
- 生活費や自治会費など想定外の出費を防ぐための経済シミュレーション
- 地域コミュニティとうまく付き合い豊かな移住生活を送るコツ
八ヶ岳への移住で後悔してしまう主な原因と現実

「こんなはずじゃなかった」と嘆くことにならないよう、まずは八ヶ岳エリアに移住した先輩たちがどのようなポイントで壁にぶつかっているのかを知ることが大切です。夏の爽やかなイメージとは裏腹に、生活の現場には都会では想像もつかないような過酷さが潜んでいます。ここでは、多くの人が後悔の原因として挙げる代表的な5つの要素について、私の実体験を交えながら詳しく解説していきます。
氷点下の冬と雪や水道管凍結の厳しさ
八ヶ岳での生活において、最も多くの人が衝撃を受け、時には移住を諦める決定的な原因となるのが「冬の寒さ」です。「避暑地なのだから冬が寒いのは当たり前」と頭では分かっていても、実際の寒さは都会人の想像を遥かに超えています。私が暮らしているエリアでも、1月から2月の厳冬期には最低気温がマイナス15度近くまで下がることがあります。これは、冷蔵庫の冷凍室の中に住んでいるようなもので、濡れたタオルを振り回せば棒のように凍り、外に置いたバナナが釘を打てるほど硬くなる世界です。

この環境下では、寒さは単なる不快感ではなく、明確な「生命のリスク」となります。特に注意が必要なのが、雰囲気重視で中古の別荘や古民家を購入してしまった場合です。築年数が古い別荘の多くは「夏の避暑」を主目的に設計されており、壁の断熱材が薄かったり、窓がアルミサッシのシングルガラスだったりします。こうした家では、いくら石油ファンヒーターをフル稼働させても、発生した熱がどんどん窓や壁から逃げていってしまいます。夜寝る前に暖房を消すと、朝起きる頃には室温が氷点下まで下がっていることも珍しくありません。布団から出ている顔が冷たくて目が覚め、吐く息が白くなる寝室で着替える辛さは、経験した人にしか分からない苦行です。
命に関わるヒートショックと水道管破裂のリスク

断熱性能の低い家では、暖かいリビングと、暖房のない廊下やトイレ、浴室との温度差が20度以上になることもあります。この急激な温度変化は血管に大きな負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」のリスクを高めます。高齢者はもちろん、若くても身体へのダメージは深刻です。
また、八ヶ岳の冬の儀式とも言えるのが「水抜き」です。氷点下4度を下回るような夜は、水道管の中の水が凍って膨張し、管を破裂させてしまいます。これを防ぐために、寝る前や外出時に元栓を閉めて管内の水を抜く作業が必要になります。もしこれを忘れたり、手順を間違えたりして水道管が破裂すれば、水浸しの家財道具と数十万円単位の修繕費という悪夢が待っています。最近では電熱線で管を温める「凍結防止帯」が巻かれている家も多いですが、この電気代だけで冬場は月数千円から1万円近くかかることも覚えておく必要があります。
そして、雪の問題です。八ヶ岳南麓は「雪が少ない」と言われており、確かに新潟や北陸のような豪雪地帯ではありません。しかし、ひとたび南岸低気圧が通過すれば、一晩で30センチ、時には50センチ以上の積雪に見舞われます。この雪は湿り気を帯びて非常に重く、除雪機がない家庭では手作業での雪かきが必須となります。生活道路や駐車場の雪をかかないと車が出せず、仕事にも行けませんし、買い物にも行けません。「たまに見る雪景色はロマンチック」ですが、「生活のための雪かき」は重労働そのものです。朝5時に起きて、腰の痛みに耐えながら汗だくになって雪をかく。これをシーズン中に何度も繰り返す覚悟がないと、冬の八ヶ岳暮らしは破綻します。さらに、日陰の道路は一度溶けた雪が再凍結し、「ブラックアイスバーン」と呼ばれるツルツルのスケートリンク状態になります。スタッドレスタイヤを履いていても滑る恐怖と常に隣り合わせの運転も、精神的なストレス要因となります。
カマドウマやカメムシなど虫との戦い
自然が豊かであるということは、そこが人間だけの場所ではなく、無数の虫や野生動物たちのテリトリーであることを意味します。都会のマンション暮らしに慣れた方が移住して最初に直面する精神的な壁が、この「虫問題」です。「虫くらい平気」と思っていても、その量と種類、そして神出鬼没さは想像を絶するものがあります。
八ヶ岳エリア、特に林間の物件で最も忌み嫌われているのが、通称「便所コオロギ」と呼ばれるカマドウマです。体長2〜3センチ、長い後ろ足と触角を持ち、背中が丸まったその姿は、生理的な嫌悪感を催すフォルムをしています。彼らは暗く湿った場所を好み、床下のわずかな隙間や配管の周りから家の中に侵入してきます。毒はありませんし、人を噛むこともありませんが、その跳躍力と「どこからともなく現れる」不気味さが最大の武器です。夜中にトイレに入ったら壁にへばりついていた、お風呂に入ろうとしたら浴槽の中でジャンプしていた、という経験は日常茶飯事です。駆除しようにも、シロアリのように木を食べるわけではないので薬剤の効果が限定的で、家の気密性を極限まで高めない限り、完全な侵入防止は困難です。虫嫌いのパートナーが、カマドウマの多さに耐えきれずノイローゼ気味になり、移住を断念したという話も実際に耳にします。

秋のカメムシ大量発生にも注意
秋が深まり肌寒くなってくると、今度はカメムシが越冬のために暖かい家の中を目指して大挙して押し寄せます。サッシのレールの隙間、換気扇、エアコンのドレンホースなど、ありとあらゆる隙間から侵入してきます。彼らの厄介な点は、刺激すると強烈な悪臭を放つことです。そのため、見つけても決して叩いたり掃除機で吸ったりしてはいけません。掃除機の排気口から部屋中に悪臭が拡散される地獄絵図になります。
対策としては、ガムテープでそっと背中から貼り付けて包んで捨てるか、専用の凍結スプレーで瞬時に凍らせて駆除するという地道な作業が必要です。洗濯物を取り込む際に付着していたり、最悪の場合、就寝中に布団の中に入ってきたりすることもあります。家の中で常に「どこかに虫がいるかもしれない」という緊張感を強いられることは、ボディブローのように精神力を削っていきます。
さらに、春から秋にかけてはスズメバチが軒下に巣を作ったり、ムカデが靴の中に入り込んでいたりといった危険もあります。特にムカデに噛まれると激痛が走り、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるため、十分な注意が必要です。
また、敵は虫だけではありません。家庭菜園を楽しみに移住される方も多いですが、シカやイノシシによる農作物の被害は深刻です。彼らは学習能力が高く、ちょっとした柵なら飛び越えたり、鼻で持ち上げたりして侵入し、大切に育てた野菜や花を一晩で食い尽くします。高さ2メートル級の本格的な防獣フェンスを設置しなければ、まともに収穫することは不可能に近いと考えてください。他にも、ハクビシンやネズミが屋根裏や壁の中に侵入し、断熱材を巣の材料として食い荒らす被害も増えています。夜中に天井裏から「ドタドタ」という足音が聞こえ、糞尿によるシミや悪臭が発生すると、大掛かりなリフォームが必要になることもあります。
プロパンガスや維持費などお金の負担
「田舎に移住すれば、家賃も安いし野菜も貰えるから生活費は下がるだろう」という期待を抱いているなら、今のうちに修正しておく必要があります。確かに不動産価格や固定資産税は都市部に比べて安価ですが、それを打ち消して余りあるほど高額なのが「光熱費」と「維持管理費」です。
その最大の元凶と言えるのが、八ヶ岳エリアの主要インフラであるプロパンガス(LPガス)の料金です。都市ガスが整備されているのはごく一部の市街地のみで、ほとんどのエリアは各家庭にボンベを設置するプロパンガスに頼らざるを得ません。このプロパンガスは自由料金制であり、業者が価格を自由に設定できるため、都市ガスに比べて単価が非常に高く設定されています。具体的なデータで見ると、都市ガスエリアから来た人が請求書を見て腰を抜かすほどです。
(出典:石油情報センター『一般小売価格 プロパンガス(LPガス)』)などの調査を見ても、地域ごとの価格差は歴然としています。断熱性能の低い家で、都市部と同じ感覚でガスファンヒーターやガス給湯器を使い続けると、冬場のガス代だけで月額5万円、場合によっては10万円を超える請求が届くことも決して珍しい話ではありません。「家賃並みのガス代」に生活が圧迫され、泣く泣く暖房を我慢して風邪を引くという本末転倒な事態に陥る移住者もいます。

| 費目 | 都会(都市ガス)との違い | 八ヶ岳での目安(冬場) |
|---|---|---|
| ガス代 | 単価が2〜3倍高いケースが多い | 月2万〜5万円以上 |
| 暖房費 | 灯油や薪の購入費が別途発生 | シーズン合計10万〜20万円 |
| 浄化槽管理費 | 下水道がない場合、点検・清掃費が必要 | 年間3万〜5万円 |
| 車の維持費 | 1人1台必須、スタッドレス、塩害対策 | ガソリン代+消耗品費増 |
ガス代を節約するために、多くの家庭では石油ストーブや石油ファンヒーターを主力暖房として使用します。しかし、これも楽ではありません。18リットルの灯油が入った赤いポリタンクは20kg近い重さがあり、これをガソリンスタンドで購入し、車に積み込み、家のタンクまで運んで給油するという作業は、かなりの重労働です。年齢を重ねて体力が落ちた時、この「灯油運び」が生活の大きなネックになることもあります。
また、「田舎暮らしといえば薪ストーブ」というロマンを持つ方も多いでしょう。揺らめく炎は確かに魅力的ですが、経済的には決して安上がりではありません。乾燥した薪を購入して一冬過ごす場合、15万円〜20万円程度の出費になります。コストを抑えようと原木を安く手に入れて自分で割る場合でも、チェーンソーや薪割り機への初期投資、薪を1〜2年乾燥させておくための広大な薪棚(スペース)、そして何より膨大な時間と体力が必要です。煙突掃除などのメンテナンスを怠れば煙道火災のリスクもあり、薪ストーブは「暖房器具」というよりは「手間のかかる趣味」と割り切るくらいの余裕が必要です。
さらに、別荘地に移住する場合は「管理費」も忘れてはいけません。道路の補修や街灯の電気代、ゴミステーションの管理、草刈りなどを管理会社が行う対価として、年間数万円から十数万円(土地の広さや建物の有無による)の管理費が永続的に発生します。これらは家計の固定費として重くのしかかってきます。
車が必須となる交通や買い物の不便さ
八ヶ岳エリアでの生活において、自家用車は「足」そのものです。都会のように、駅まで歩いて電車に乗る、あるいはコンビニまで徒歩で行くといったライフスタイルは基本的に成立しません。スーパー、病院、役所、ホームセンターなどは広範囲に点在しており、それぞれの移動に車で15分〜30分かかるのが当たり前です。そのため、夫婦で移住する場合、どちらか一方が家に閉じこもることのないよう、車は1人1台、計2台所有するのがスタンダードになります。
車生活にはコストとリスクが伴います。八ヶ岳南麓は坂道が多く、信号が少ないため走行距離が伸びやすく、ガソリン代は都会に比べてかさみます。また、冬にはスタッドレスタイヤへの履き替えが必須です。タイヤはゴム製品なので数年で劣化し、4本交換すれば数万円から10万円以上の出費となります。
さらに深刻なのが、冬の道路に撒かれる「融雪剤(塩化カルシウム)」による塩害です。塩カルは強力に雪を溶かしますが、同時に車の金属部分を激しく腐食させます。こまめに下回り洗浄や防錆コーティングを行わないと、マフラーに穴が空いたり、ブレーキ周りが錆びついて故障したりする原因となります。
雪道運転のリスクと高齢化問題
雪道の運転経験がないまま移住し、甘い認識でノーマルタイヤで走行してスリップ事故を起こすケースが後を絶ちません。また、自宅前の坂道が凍結して登れなくなり、家に帰れなくなるトラブルも多発しています。移住にあたっては、4WD車の購入を強く推奨します。
また、将来自分が歳を取って運転免許を返納した時のことも考えておく必要があります。自治体が運行するデマンドバス(予約制乗り合いバス)なども存在しますが、本数が少なかったり予約が面倒だったりと、自由な移動手段としては限界があります。「運転できなくなったら生活が詰む」というリスクがある場所であることを認識しておきましょう。
仕事の都合で、八ヶ岳から東京方面へ通勤(新幹線や特急)を考えている方もいるかもしれません。小淵沢駅や茅野駅から新宿駅まで、特急「あずさ」を使えば2時間弱でアクセス可能ですが、そのコストは膨大です。通勤定期代は6ヶ月で約40万円(月額換算で約6万8千円)にもなります。一般的な企業の通勤手当上限(月2〜5万円程度)を超える場合、差額は自己負担となり、年間数十万円の減収に相当します。また、強風や大雨、動物との衝突などで電車が遅延・運休することも多く、都内での会議に間に合わない、終電で帰れないといったトラブルも想定内にしておく必要があります。
自治会の行事や濃密な人間関係の壁
「都会の希薄な人間関係に疲れたから、田舎でのんびり暮らしたい」。そう考えて移住を決める方は多いですが、皮肉なことに田舎の人間関係は都会よりもはるかに濃密で、逃げ場のないものです。八ヶ岳エリアの多くの集落には「行政区」と呼ばれる自治会組織が存在し、これが住民生活の基盤を支えています。
都会の自治会とは異なり、田舎の自治会加入は事実上の「義務」に近い性質を持っています。なぜなら、ゴミステーションの管理や清掃は自治会が担っており、未加入者はゴミ捨て場を使わせてもらえない(自分で遠くのクリーンセンターまで持ち込む必要がある)ケースが多いからです。
加入にあたって、地域によっては「入区金(加入金)」として数万円から、高いところでは10万円以上を請求されることがあります。これは公民館の修繕積立金などに充てられるものですが、事前の説明がないとトラブルの元になります。
そして、最も負担に感じるのが「労働奉仕」と「役員業務」です。春の河川清掃、夏の草刈り、秋の祭り準備、冬の雪かきなど、季節ごとの共同作業が目白押しです。これらは日曜日の早朝から行われることが多く、貴重な休日が潰れます。もし仕事や体調不良で欠席する場合は、「出不足金(でぶそくきん)」という名の罰金(数千円程度)を徴収されるルールがある地域も一般的です。「お金で解決できるなら安いもの」と割り切れる人は良いのですが、「ボランティアなのになぜ罰金?」と納得できない人にとっては大きなストレスとなります。

また、ご近所付き合いもウェットです。「隣組」という最小単位の組織があり、回覧板を回したり、お葬式の手伝いをしたりといった相互扶助が求められます。プライバシーの感覚も都会とは異なり、「誰がどこに行った」「誰が家に来た」といった情報があっという間に広まることもあります。
「郷に入っては郷に従え」と言いますが、こうした地域のルールや慣習を「面倒くさい」「前時代的だ」と拒絶してしまうと、一気に村八分のような状態になり、孤立してしまうリスクがあります。挨拶をしても無視される、困った時に誰も助けてくれないといった状況は、美しい景色も霞んで見えるほど精神的に辛いものです。
八ヶ岳への移住で後悔しないための対策と心構え
ここまで、八ヶ岳移住の「闇」の部分に焦点を当てて厳しい現実をお伝えしてきました。読んでいて気が滅入ってしまった方もいるかもしれません。しかし、私がこれらをあえて詳しく書いたのは、脅したいからではありません。移住における後悔のほとんどは「想定外」の事態に直面した時に起こるからです。逆に言えば、これらのリスクをあらかじめ「想定内」にしておけば、対策を立てることができ、致命的な失敗を防ぐことができるのです。ここからは、私が考える「後悔しないための具体的なアクションプラン」をご紹介します。
必ず冬にお試し移住をして環境を知る
移住で失敗する典型的なパターンは、緑が美しく気候も爽やかな夏のシーズンに物件を見学し、そのイメージだけで購入を決めてしまうことです。夏が良いのは当たり前です。生活の質を左右し、本当の適性が問われるのは「冬」です。本気で移住を考えるなら、最も条件の悪い1月〜2月の真冬に、少なくとも1週間程度滞在してみることを強くおすすめします。
北杜市や茅野市などの自治体では、移住検討者向けに「お試し住宅(移住体験住宅)」を格安または無料で提供しています。家具や家電が揃っており、実際に生活するように滞在できる施設です。こうした制度を利用したり、冬季でも営業している貸別荘やAirbnbを利用したりして、以下のポイントを肌感覚でチェックしてください。

- マイナス10度の朝、布団から出るのがどれくらい辛いか。
- 毎日ストーブに灯油を入れる作業や、車の雪下ろしを苦痛に感じないか。
- 暖房をフル稼働させたときの光熱費がいくらになるか(実際にメーターを見て計算してみる)。
- 夜の集落の静けさや暗さ(街灯が少ない怖さ)に耐えられるか。
- スーパーまでの雪道を自分で運転できるか。
この厳しい冬を体験してもなお、「空気が澄んでいて気持ちいい」「薪ストーブの暖かさが幸せだ」「雪景色が美しい」と感じられるなら、あなたは八ヶ岳暮らしに向いています。その感覚こそが、長く住み続けるための原動力になります。
現地での仕事やリモートワークの確保
「移住してから仕事を探せばなんとかなる」という考えは危険です。地方の雇用情勢は都市部とは全く異なります。ハローワークや求人サイトを見れば分かりますが、建築・土木、介護・福祉、観光サービスの求人は比較的豊富ですが、事務職、企画・マーケティング、IT系などの職種は極端に少なく、競争率も高いのが現実です。また、賃金水準も都市部に比べて低くなる傾向があります。
リモートワークは最強の武器
現在の仕事をテレワーク(リモートワーク)で続けられるなら、それが最も経済的なリスクを抑える方法です。都会水準の給与をもらいながら、生活コスト(一部は高いですが)と環境の良さを享受できるのは大きなメリットです。ただし、物件によっては光回線が来ていなかったり、工事に数ヶ月待ちが発生したり、携帯の電波が弱かったりする場所もあるため、物件選びの段階で通信環境のチェックは最優先事項として行ってください。

現地での就職や起業(カフェやペンションなど)を目指す場合は、資金計画を綿密に立てる必要があります。特に自営業は季節変動が激しく、観光客の減る冬場の売り上げ確保が課題になります。閑散期に別のアルバイトをする「複業」スタイルも視野に入れ、柔軟な働き方を想定しておくことが大切です。
先人のブログや失敗談からリスクを学ぶ
今は多くの移住者がブログやYouTube、SNSで日々の暮らしを発信しています。キラキラした成功体験だけでなく、「ここが大変だった」「これを失敗した」「この設備はいらなかった」というネガティブな情報こそが、あなたを救う貴重な教材になります。
特に、物件購入に関する失敗談は必読です。「ログハウスはおしゃれだけど、数年ごとに塗装が必要でメンテナンス費が嵩む」「古民家を安く買ったが、断熱改修とシロアリ駆除で新築以上の費用がかかった」「傾斜地の土地を買ったら、擁壁工事で数百万飛んだ」といった生々しい声を集めることで、自分に合った物件選びの基準が見えてくるはずです。不動産屋さんは売りたい物件のメリットを強調しますが、実際に住んでいる人のリアルな感想は嘘をつきません。ハッシュタグ「#八ヶ岳移住」「#田舎暮らし失敗」などで検索し、徹底的にリサーチしましょう。
地域コミュニティへの積極的な参加と適応
面倒に感じるかもしれない自治会活動や近所付き合いですが、これを「わずらわしいコスト」と捉えるか、「安心安全のための保険」と捉えるかで、暮らしの豊かさは大きく変わります。
八ヶ岳のような自然環境が厳しい場所では、完全に孤立して生きていくことは困難です。大雪で車がスタックした時にトラクターで引っ張り上げてもらったり、急な病気の時に情報を教えてもらったり、美味しい野菜を大量にお裾分けしてもらったりと、地域の人との繋がりが生活を助けてくれる場面は多々あります。
無理をして全ての飲み会に参加する必要はありませんし、過度にへりくだる必要もありません。しかし、すれ違ったら笑顔で挨拶をする、草刈りなどの共同作業には汗を流して参加する、といった「この地域の一員として暮らしていきたい」というリスペクトの姿勢を見せることが大切です。
地元の方々は、新しく来た人が「どんな人なのか」「地域のルールを守れる人なのか」を不安に思いながら見ています。こちらから心を開き、敬意を持って接すれば、最初は排他的に見えた地域の方々も、実は温かく世話好きな人たちであることが多いです。野菜の作り方を教わったり、地域の歴史を聞いたりと、交流を楽しむ余裕が持てれば、移住生活はより深く豊かなものになるでしょう。
八ヶ岳への移住で後悔しないためのまとめ
今回は、「八ヶ岳 移住 後悔」というキーワードで検索されている方が懸念しているであろうリスクと、その対策について、かなり踏み込んでお話ししました。八ヶ岳での暮らしは、確かに不便さや厳しさを伴います。お金もかかりますし、虫も出ますし、寒いです。これは紛れもない事実です。
- 冬の寒さは「生存」に関わる問題。物件の断熱性能には徹底的にこだわる。
- 虫や野生動物は「いて当たり前」。過度な潔癖さは捨て、対策を楽しむくらいの覚悟を持つ。
- プロパンガス代や車の維持費など、見えにくいランニングコストを計算に入れる。
- 「お試し移住」で真冬のリアルを体験してから最終決断を下す。
- 地域コミュニティはセーフティネット。敬意を持って関わる。
しかし、それらを上回るほどの美しい景色、澄んだ空気、満天の星空、四季の移ろいを肌で感じる喜びがあるのもまた事実です。不便さを工夫して楽しむ心、自然に対する畏敬の念、そして想定外のトラブルも笑い飛ばせるような大らかさを持つことができれば、八ヶ岳は最高のフィールドになります。
ネガティブな要素をしっかりと直視し、「それでもここで暮らしたい」という強い思いと準備がある方にとって、八ヶ岳移住は人生を豊かにする素晴らしい選択になるはずです。皆さんの移住生活が、後悔のない、笑顔あふれるものになることを心から応援しています。

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