こんにちは。八ヶ岳へ移住、セカンドライフ!、運営者の「卓郎」です。皆さんは八ヶ岳へ登るとき、マイカー派ですか?それとも電車派ですか?私は以前まで断然マイカー派でしたが、最近は電車の快適さにすっかりハマっています。特に、下山後の疲れた体で渋滞にはまるストレスから解放されるのは本当に大きなメリットですよね。この記事では、八ヶ岳への電車登山を検討している方に向けて、お得な切符の買い方から、車では実現できない縦走ルートの魅力まで、私の実体験を交えてご紹介します。

  • あずさの割引制度を使って交通費を賢く節約する方法
  • 車回収が不要なワンウェイの縦走ルートの具体的なプラン
  • 初心者やソロ登山でも安心な登山口までの移動手段
  • 冬の凍結路面を回避して安全に雪山へアクセスするメリット

八ヶ岳への電車登山を成功させる計画術

八ヶ岳への電車登山を成功させる計画術

電車での山行を成功させる鍵は、事前の「情報収集」と「予約」にあります。ここでは、私が実際に使っている割引テクニックや、登山口までのラストワンマイルを埋める移動手段について、詳しくお話ししますね。

あずさ割引を活用して交通費を節約

あずさ割引を活用して交通費を節約

都心から八ヶ岳へのアクセスといえば、やはり特急「あずさ」が王道です。新宿から2時間ちょっとで登山口の最寄り駅(茅野駅や小淵沢駅)に到着できるのは魅力的ですが、正規料金だと「往復で1万円以上か…」とお財布に優しくないな、と感じることはありませんか?ガソリン代や高速代を割り勘できるマイカー登山に比べて、電車登山は割高になりがちというイメージがあるかもしれません。

しかし、実はJR東日本の予約サイト「えきねっと」を徹底的に使いこなすことで、交通費はぐっと抑えられます。私がいつも狙っているのは「お先にトクだ値」という割引チケットです。これは乗車日の13日前までに予約を完了させることで、運賃と特急料金がセットで30%割引になるという優れものです。新宿から茅野までなら、往復で数千円単位の節約になります。これだけで、浮いたお金を山小屋での生ビール代や、下山後のちょっと贅沢な温泉ランチ、あるいはお土産の信玄餅代に回せちゃうんですから、利用しない手はありません。

予約の勝負は「1ヶ月前の午前10時」

ただし、この「お先にトクだ値」は座席数が限定されており、特に紅葉のトップシーズンやゴールデンウィーク、夏休みなどの連休は争奪戦になります。「発売開始と同時に売り切れ」なんてことも珍しくありません。そこで活用したいのが「えきねっと事前受付」です。発売開始日(乗車日の1ヶ月前)のさらに1週間前から事前申し込みができるシステムで、これを設定しておくと、発売日の午前10時に自動的に予約処理を行ってくれます。もちろん100%確保できるわけではありませんが、当日の10時にスマホを連打するよりは確実性が高いかなと思います。

また、もし「トクだ値」が取れなくても、「チケットレス特急券」を利用すれば、窓口価格より100円〜300円ほど安くなりますし、JRE POINTも貯まります。貯まったポイントで「JRE POINT特典チケット」に交換すれば、実質無料で特急に乗れることもあるので、普段からJRE POINTを意識して貯めておくのも、賢い電車登山家のテクニックの一つですよ。

卓郎のワンポイント
最近は金券ショップでの回数券バラ売りが廃止されている区間が多いので、「駅に行く前に金券ショップへ」という古い常識は捨てて、スマホでの事前予約に切り替えるのが正解です。(出典:JR東日本『えきねっとトクだ値』)

初心者はバスとロープウェイを活用

初心者はバスとロープウェイを活用

「電車で駅から登山口まで行くのが大変そう…」「バスの本数が少なくて不安」と、アクセスの面で二の足を踏んでいる方、安心してください。八ヶ岳、特に北八ヶ岳エリアは、駅から登山口へのアクセスが非常に整備されており、初心者でも迷うことなく山の懐まで飛び込むことができます。

茅野駅からは「北八ヶ岳ロープウェイ」行きのアルピコ交通バスが頻繁に出ており、これに乗れば約1時間で山麓駅に到着します。そこからロープウェイに乗り継げば、標高2,237mの坪庭駅まで、汗ひとつかかずに一気に上がれてしまうのです。重いザックを背負って延々と展望のない林道を歩く「アプローチの苦行」は必要ありません。ロープウェイを降りれば、目の前にはもう高山植物が咲き乱れる別世界が広がっています。

坪庭から始まる空中散歩

ロープウェイ山頂駅を降りてすぐの「坪庭」は、溶岩台地に高山植物が点在するユニークな景観が魅力で、ここを周回するだけでも十分なハイキングになります。さらに足を伸ばして「北横岳」や「縞枯山」を目指す場合でも、往復2〜3時間程度で歩けるため、体力に自信がない方や、登山靴を買ったばかりのデビュー戦にもぴったりです。

ただし、一つだけ注意点があります。それは「最終バスの時刻」です。マイカーなら多少遅れても帰れますが、バスは待ってくれません。特に夕方の最終便を逃すと、タクシーを呼ぶことになり、せっかく節約した交通費が水の泡になってしまいます。駅のコインロッカーに不要な荷物を預けて身軽になりつつ、帰りのバスの時間だけは、登山開始前に必ず「復唱確認」するくらいの慎重さを持って楽しんでくださいね。

ソロ登山にはマウンテンタクシーが便利

ソロ登山にはマウンテンタクシーが便利

一人で気ままに山に行く「ソロ登山」は最高ですが、唯一の悩みと言えば「登山口までの移動コスト」ではないでしょうか。駅から登山口までタクシーを使うと、片道3,000円〜5,000円ほどかかってしまい、これを一人で負担するのは痛い出費ですよね。かといって、路線バスは本数が少なかったり、そもそも行きたい登山口(観音平など)へ直通していなかったりと、不便なことも多々あります。

そこで私が猛烈におすすめしたいのが、小淵沢駅から利用できるシェア型タクシー「マウンテンタクシー(MOUNTAIN TAXI)」です。これは、駅から観音平や尾白川渓谷などの主要な登山口まで、定額料金で他の登山者と「相乗り」できる画期的なサービスなんです。

サービス名 主な行先 料金目安(片道) 特徴・メリット
マウンテンタクシー 観音平
尾白川渓谷
(南八ヶ岳・甲斐駒ヶ岳方面)
平日:1,000円
土日祝:1,500円
・1名からWeb予約可能
・完全予約制で座席確保
・定額なのでメーターを気にする必要なし
・駅での待ち合わせ場所が明確

ソロハイカーの救世主

平日なら片道1,000円、土日祝でも1,500円という、通常のタクシーでは考えられない安さで利用できるのは驚きですよね。完全な事前予約・事前決済制(クレジットカード等)を採用しているので、現地でドライバーさんと現金のやり取りをする必要もありませんし、「タクシー乗り場に行列ができていて乗れないかも…」という不安もゼロです。

運行スケジュールも、新宿方面からの特急「あずさ」の到着時刻に合わせて組まれているため、駅に着いたらスムーズに乗り換えて登山口へ直行できます。同じ車に乗り合わせた人と「どちらまで行かれるんですか?」なんて会話が生まれるのも、相乗りタクシーならではの楽しみ。これを知ってから、私の南八ヶ岳へのアクセス頻度が劇的に上がりました。ソロハイカーの方は使わない手はないですよ。

冬こそ電車アクセスが安全な理由

冬こそ電車アクセスが安全な理由

冬の八ヶ岳は、真っ白な雪と「八ヶ岳ブルー」と呼ばれる深い青空のコントラストが美しく、雪山入門として非常に人気があります。しかし、冬の八ヶ岳へのアクセス、特に車での移動には大きなリスクが伴います。1月から2月の厳冬期には、登山口へ続く山道がカチカチに凍結し、スタッドレスタイヤを履いていても、ちょっとしたブレーキ操作で車が滑り出す「ブラックアイスバーン」になることがよくあります。

プロの運転に命を預ける安心感

慣れない雪道で神経をすり減らし、登山口に着く頃にはもうクタクタ…なんて経験はありませんか?その点、電車とバスを利用すれば、雪道運転のプロであるバスやタクシーのドライバーさんにお任せできるので、移動の安全性と快適性は段違いです。暖房の効いた車内でうとうとしている間に、安全に登山口まで送り届けてもらえる。この「安心感」こそが、冬における電車登山の最大のメリットと言えるでしょう。

また、寒冷地特有のトラブルとして「軽油の凍結」があります。都心で入れたディーゼル車の燃料が、八ヶ岳の低温で凍ってしまいエンジンがかからなくなる…という事態も実際に起きています。JAFを呼んでも雪山では到着まで数時間待ち、なんてこともザラです。こういった冬の車のトラブルやリスクについては、以前まとめた記事でも詳しく解説しているので、冬も車で行くか迷っている方はぜひ一度目を通してみてください。

八ヶ岳へ2月に車で行くなら必読!雪道の危険と観光の楽しみ方

日帰りでも楽しめる絶景コース

「電車登山だと、時間の制約があって泊まりじゃないと無理かな?」と思われがちですが、そんなことはありません。新宿を朝7時台に出る「あずさ」の始発便を利用すれば、9時台には茅野駅に到着でき、十分に日帰りで絶景を楽しむことができます。

私のおすすめ日帰りプランは、やはり北八ヶ岳ロープウェイを利用した「北横岳」の登頂です。ロープウェイを使えば実質的な歩行時間は3時間程度。午前中の空気が澄んでいるうちに山頂に立てば、南アルプスや中央アルプス、そして晴れていれば遠く日本海まで見渡せる360度の大パノラマが待っています。特に冬の時期は、木々が氷と雪に覆われる「スノーモンスター(樹氷)」が見られることでも有名で、その神秘的な姿は一見の価値ありです。

白駒池で過ごす静寂の時間

また、夏〜秋のシーズンなら、麦草峠までバスで上がり、「白駒池」周辺を散策して「高見石」へ登るコースも最高です。高見石のゴツゴツした岩場の上から眼下に広がる白駒池の景色は、「八ヶ岳の瞳」とも称される美しさで、何度見ても飽きません。池の畔にある山小屋でコーヒーを飲んだり、苔の森をマクロレンズで撮影したりと、ピークハント(山頂を目指すこと)にこだわらない楽しみ方ができるのもこのエリアの魅力。

帰りのバスの時間をしっかり確認し、少し早めに下山して、登山口近くのカフェでケーキを食べたり、温泉に立ち寄ったりする余裕を持たせるのが、電車旅を最高に楽しむコツですね。

八ヶ岳の電車登山だからできる縦走

八ヶ岳の電車登山だからできる縦走

マイカー登山での最大の悩み、それは「車を停めた場所に戻らなければならない」という制約です。同じ道を往復する「ピストン山行」になりがちで、本当はあっちの登山口へ下りたいのに…と涙を飲んだ経験がある方も多いはず。しかし、電車登山ならその必要はありません。登山口(IN)と下山口(OUT)を自由に変えられる「ワンウェイ・トラバース(通り抜け縦走)」こそ、電車派だけに許された特権なのです。

赤岳を縦走するコースタイムの目安

赤岳を縦走するコースタイムの目安

南八ヶ岳の主峰・赤岳を目指すなら、南から北へ抜ける、あるいはその逆のルートが組めます。私が特に気に入っているのは、小淵沢駅からマウンテンタクシーで「観音平」に入り、編笠山、権現岳、赤岳を経て「美濃戸口」へ下山するダイナミックな縦走ルートです。南から徐々に標高を上げ、核心部に迫っていく高揚感はたまりません。

卓郎おすすめルートイメージ(1泊2日)
【1日目】小淵沢駅(9:00頃) → 観音平 → 編笠山 → 青年小屋 → 権現岳 → 山小屋泊(キレット小屋など)
※歩行時間目安:約6〜7時間【2日目】山小屋 → キレット → 赤岳 → 硫黄岳 → 赤岳鉱泉 → 美濃戸口 → 茅野駅
※歩行時間目安:約7〜8時間

キレット越えは慎重に

このルートのハイライトにして最大の難所が、権現岳と赤岳の間に深く切れ落ちた「キレット」の通過です。ハシゴや鎖場が連続し、高度感も強烈なので、しっかりとした岩稜歩きの技術と体力が必要ですが、それを乗り越えて赤岳山頂に立った時の達成感は、言葉では言い表せないものがあります。

なお、提示したコースタイムはあくまで順調に歩けた場合の目安です。電車やバスの時間に遅れるわけにはいかないというプレッシャーもあるので、ご自身の体力に合わせて、地図上の標準コースタイムの1.2倍〜1.5倍程度の余裕を持った計画を立ててください。無理なら途中の小屋で停滞する、エスケープルートを確認しておくなどのリスクマネジメントも、縦走には不可欠です。

赤岳鉱泉で憧れのテント泊に挑戦

赤岳鉱泉で憧れのテント泊に挑戦

「電車でテント泊装備を担ぐのは重くて無理!」と思うかもしれませんが、ルートを選べば十分可能です。特におすすめなのが、美濃戸口から北沢ルートを通って「赤岳鉱泉」を目指すプランです。バス停から約3時間ほどの林道歩きがメインで、急登が少ないため、重いザックを背負っていても比較的楽に到着できます。

赤岳鉱泉は「山小屋銀座」と呼ばれる八ヶ岳の中でも、設備とサービスの充実度が群を抜いており、テント泊デビューの聖地としても知られています。テント場は平らで広く整地されており、水場もトイレも驚くほど清潔。そして何より嬉しいのが、テント泊利用者でも小屋の夕食(名物のステーキや鍋!)を予約して食べることができる点です(要事前予約)。

重い食材は持たずに「小屋メシ」活用

これなら、重い食材や調理器具を減らして軽量化できますし、夜は小屋の暖かい食堂で美味しいご飯とお酒を楽しんで、寝るときだけ自分のテントに戻るという「いいとこ取り」のスタイルが可能です。冬には名物の「アイスキャンディ(人工氷瀑)」が登場し、クライマーたちの熱気で溢れかえります。小屋番の方々も親切で、何か困ったことがあれば相談しやすい雰囲気なのも、初心者には心強いですよね。

下山後の温泉と茅野駅での暇つぶし

縦走を終えて美濃戸口へ下山したら、まずは温泉で数日間の汗と埃を流したいですよね。美濃戸口のバス停周辺にも入浴施設はありますが、バスで茅野駅へ戻る途中、「蓼科温泉郷」で途中下車するのも賢い作戦です。例えば「小斉の湯」などは、露天風呂からの展望が素晴らしく、バスターミナルからも歩いて行ける距離にあります。

もし入浴のタイミングを逃して茅野駅まで戻ってしまった場合でも、諦めないでください。駅周辺や駅ビル内にはお土産屋さんやカフェが充実しており、あずさの待ち時間を潰すのには困りません。駅直結の施設で地元の寒天を使ったスイーツを食べたり、少し歩いて評判のお蕎麦屋さんで信州そばを堪能したり。

帰りのあずさは「居酒屋あずさ」に変身

そして、駅の売店で地元のクラフトビール(「八ヶ岳ビール タッチダウン」などがおすすめ!)と野沢菜、鳥もつ煮などを買い込めば準備完了。帰りの特急あずさの車内は、山行の写真を友人たちと見返しながら乾杯する「居酒屋あずさ」に早変わりです。運転がないからこそ、最後の最後まで全力で遊べる。これが電車登山の醍醐味だと私は思います。

山小屋の予約方法と混雑のポイント

最後に、宿泊に関する重要な注意点をお伝えします。コロナ禍以降、八ヶ岳の山小屋はほぼ全て「完全予約制」に移行しています。「行けばなんとかなる」「布団一枚に三人」という昔の常識はもう通用しません。予約なしで訪れると宿泊を断られるケースもありますので、計画段階での予約確保は絶対条件です。

特に週末や7月〜9月のハイシーズン、紅葉の時期は、予約開始(多くの小屋で1ヶ月前やWeb予約開始日)と同時に電話が鳴り止まないほどの争奪戦になります。人気の個室などは瞬殺されることも珍しくありません。「絶対にこの日に登りたい」という場合は、予約開始日のカレンダーに赤丸をつけて、開始時刻ぴったりにアクションを起こす必要があります。

キャンセルのマナーを忘れずに
とりあえず予約しておいて、直前でキャンセルすればいいや…という考えは絶対にNGです。山小屋の経営は天候に左右されやすく大変シビアです。体調不良や悪天候でのキャンセルは仕方ありませんが、行けなくなった時点で必ず速やかに連絡を入れましょう。無断キャンセルは小屋の方々に多大な迷惑をかけるだけでなく、遭難騒ぎに発展する可能性さえあります。

混雑をどうしても避けたいなら、有給休暇を使って平日を狙うか、あえて梅雨明け直後や晩秋など、少しシーズンをずらすのも一つの手です。静かな山小屋で、小屋番さんとゆっくり山の話ができるのも、オフシーズンならではの贅沢ですよ。

八ヶ岳の電車登山で自由な旅を

八ヶ岳の電車登山で自由な旅を

ここまで、八ヶ岳への電車登山の魅力と具体的なノウハウを長々とお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?車の運転という重労働から解放され、登るルートも降りるルートも自由に選べる電車旅は、一度その味を知ってしまうと、もうマイカーには戻れないほどの快適さと開放感があります。

「車の回収がない」というだけで、地図を眺めるのが何倍も楽しくなります。「今回はこっちから上がって、あっちの温泉へ降りようかな」なんて妄想が膨らむからです。ぜひ次の休日は、スマホで「トクだ値」を予約して、あずさに揺られてみてください。ビール片手に車窓の風景を楽しみながら、八ヶ岳へ向かうその時間もまた、素晴らしい山旅の一部になるはずです。安全第一で、最高の電車登山を楽しんでくださいね!

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